先週、東京電力は2011年3月期の連結決算について、監査法人が適正意見を表明したと発表しました。監査報告書には追記情報が盛り込まれており、「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している」との指摘があるそうです。
この追記情報は何かというと、監査人が説明又は強調することが適当と判断し、監査報告書に情報として追記した事項をいいます。追記情報の記載対象は財務諸表に実際に記載されている項目に限定され、継続企業の前提(いわゆるゴーイングコンサーン)などが、追記情報の例として挙げられます。
すなわち、東京電力は原発事故の損害賠償負担で財務体質が大幅に悪化し、将来にわたって事業を継続していくという前提に疑義があるということを監査人が改めて注意喚起するために監査報告書に記載しています。
文責:熱田
現在棚上げになっている平成23年度税制改正法案は、震災関連法案が優先されているため衆議院・財政金融委員会での審議が一時ストップされています。
今後の展開としては、野党と協議のうえ一部修正して会期末(6月22日)までに成立させるか、つなぎ法で6月30日まで延長されている期限を再延長するかのいずれかになりそうです。
つなぎ法で措置法だけ延長するとしたら、本来の税制改正法案は次の国会へ先送りされることになります。
自民党は24日、措置法の延長だけ法案から分離し、民主党と協議する方向で調整にはいったため、法人税率の引き下げ、相続税法の改正などは先送りされる可能性が高まってきました。
文責:内藤
上場企業の手元資金が過去最高となったそうです。
東日本大震災の発生を受け、企業は投資を抑える一方、売上減や金融市場の混乱に備え、手元資金の積み増しに動いているようです。
2008年のリーマン・ショックから3年。景気の回復を受けて、日本企業は資金を使おうとしていました。が、震災による代金回収の減少に備え、負債の圧縮計画を延期して現預金を確保したり、CP(コマーシャルペーパー)などで資金調達したり、投資圧縮の動きに回ったりと経営心理は冷え込んでいます。
一方で競合する海外企業は投資に拍車をかけています。経営が萎縮することなく、攻めの姿勢が広がるには経営者が日本復興への展望を描けることが条件となります。企業がいつ成長投資を再開するか、今後も注視していきたいと思います。
文責:熱田
新聞を読んでいたら『粉飾アレンジャー』なる言葉を発見しました。何だろうと思い呼んでみると、上場からわずか数年で経営破綻した、新興企業の急成長の決算書の背後には税務・会計に精通した『粉飾アレンジャー』が暗躍していたようです。
監査の厳格化の影響でしょうか、業績悪化を簡単に解決したい経営者は税務や会計の専門知識を持ったプロに不正経理を依頼する事例が増えているようです。一度、粉飾に手を染めるとどこかでボロが出てきます。監査が厳格化される中、粉飾発覚を恐れる経営者たちはアレンジャーに頼るようになったようです。
近年、東証マザーズ、ジャスダックの上場企業による粉飾決算や架空増資などの摘発が相次いでいます。日本市場の信頼性を回復するためには監視体制を強化するしかないのでしょうか。ますます日本離れが加速するのではないかと懸念されます。
文責:熱田
今回は、少し暗めのお話になってしまいますが、簡単にご紹介いたします。
国税庁が4月28日に「平成21年度分法人企業の実態」を公表しましたので、お知らせいたします(平成21年4月~平成22年3月が対象)。
1.欠損法人は約72%
この数字は過去最高となってしまいました。
この年度の法人数は,約262万社で、欠損法人は約190万社ありました。
景況感が悪いと判断できると思います。
2.営業収入は2年連続減少
またしても景況感が悪い数値になってしまいますが、営業収入金額は約1,324兆円で、前年度の約1,419兆円と比較して2年連続の減少となってしまいました。
3.交際費支出も減少
交際費等の支出額は約3兆円。前年の3.2兆円より減少して過去10年間で最低となったようです。
その他、貸倒れをあらかじめ見積る貸倒引当金も増加していることから、景気回復へはまだ時間がかかりそうな感じを受けました。
文責:才津
東京証券取引所のHPでは、株主総会招集通知の内容を掲載しており、平成23年2月期決算会社まで公表されています。
東証では、株主総会における議決権の行使が、株主の最も基本的な権利のひとつであり、株主総会を通じての株主と上場会社とのコミュニケーションの促進が上場会社のコーポレート・ガバナンスの向上の観点からも重要な意義を有するとの観点から、上場会社に対し、株主総会における議決権行使を容易にするための環境整備に努めることを求めています。
その一環として、平成21年8月の有価証券上場規程等の一部改正により、上場会社に対しては、株主総会招集通知の発送日までに東京証券取引所に対して株主総会招集通知を提出するよう求めるとともに、その内容を東証HPに掲載しています(東証HPへの掲載は平成22年3月期決算会社の定時株主総会に係るものから順次実施しています)。
3月期決算会社の株主総会は毎年6月の最終週に開催されることが多いです。今年の集中日はいつになるのでしょうか。震災の影響で開催を延期する会社もあるかと思いますが、法務省は震災の影響による総会延期は会社法に違反しないとの見解を発表しています。今後の会社の対応が注目されそうです。
文責:熱田
ちょっと早いですが、平成23年4月1日以後に終了する事業年度から
法人税申告書に「適用明細書」の添付が必要になります。
これは法人税関係特別措置を受ける場合に必要で、例えば
「中小企業者等の法人税率の特例」や「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」
など税額又は所得の金額を減少させる特例をいいます。
記載の手引は、国税庁のホームページにありますので参考にしてください。
中小企業者はほとんど適用しますので、提出もれのないようにしましょう。
(文責:福原)